Ye韓方院 コーディネーター 三浦 瞳 様インタビュー

Ye韓方院 コーディネーター 三浦 瞳 様

日本では看護師として勤務。梨花女子大学語学堂で韓国語を勉強後、医療通訳養成課程を経て、現在「Ye韓方院」で医療コーディネーターとして勤務している。

【ブログ】 Ye韓方院公式ブログ
【取材】箕浦敬子(毎日エデュケーション ソウルデスク) 
【編集】パクキョンミ(毎日エデュケーション ソウルデスク) 

(2014年7月掲載)

恐怖心はない。海外だから違うのは当然だと思った。

---韓国にはいつ来ましたか?

2011年の9月です。もう3年目ですね。

 

---韓国に留学したきっかけ何ですか?留学に至るまでの経緯を教えてください。

大学4年生の頃に仲の良い友達が東方神起が好きで、その動画を見たり歌を聴いているうちに韓国に興味を持ちだし、その後韓国語を独学で始めて、韓国留学をしたいと思うようになりました。

 

---日本では看護師をされていたと聞きましたが、仕事を辞めるとき躊躇することはありましたか。

元々、海外で働きたい、海外で暮らしてみたいという思いが強くオーストラリアにいこうと思っていたので、辞めることには躊躇はまったくなかったです。

▲安心して診察を受けてもらえるように通訳するお仕事

▲安心して診察を受けてもらえるように通訳するお仕事

---オーストラリアに行く予定がなぜ韓国に変わったのですか?

日本で看護師を3年くらいしたらオーストラリアで看護師を活かして働けるワーキングホリデーの制度があるので、それを利用しようと思っていました。しかし、韓国語の勉強をはじめてから、どんどん英語より韓国語を勉強したい気持ちが大きくなり、韓国に少し留学するのも良いと思って韓国に来ました。もう3年目になりますけどね(笑)

 

---日本で仕事をしていたときに韓国へ旅行又は短期留学などはしていましたか?

仕事をしながら3ヶ月に1度くらいのペースで韓国には遊びにきていました。短期留学はしていませんが、独学で少し勉強していたので、旅行中は韓国語で会話していたような気がします。(といっても、本当に簡単な韓国語ですが…笑)

---語学留学に来たときは韓国語が話せる状態でしたか?

ハングルは書けて簡単な挨拶や自己紹介はできたのですが、文法などはちゃんと勉強していなかったので、梨花女子大学の語学堂で1級から始めました。

 

---環境が変化することによって恐怖心はありませんでしたか。

恐怖心はまったくなかったです。楽しみでワクワクしていました。

医療通訳師の道へ

▲無数の漢方薬から、一人づつの体質に合わせて調合する。

▲無数の漢方薬から、一人づつの体質に合わせて調合する。

---留学中、韓国で仕事をしようと決めていましたか?

いいえ。1年勉強したら、帰国しようと思っていたのですが、たまたま医療通訳について学ぶ機会があり、勉強していくうちに韓国でこれを活かして働いてみようと思いました。

 

---前職を活かす仕事をしようと考えたのですか?

もともと医療の現場が好きなので、韓国で同じような仕事ができたらいいなと思っていました。看護師の仕事をしているわけではないのですが韓国語+医療(美容)の両方の面が仕事なので楽しいです。

---何という資格をお持ちですか?

資格としては、まだ韓国で国家資格として認められていないのですが、韓国保険福祉人材開発院の医療通訳養成過程を修了し認定証を頂きました。

 

---どういう資格ですか?

今韓国では、海外からの患者誘致に力をいれていおります。病院で医療通訳士として働くための医療通訳について学びました。

 

---特殊な資格なのですが、やはりお給料は良いのですか。

病院によって様々だと思いますが、今後「医療通訳」が国家資格として認められるように動いてるそうなので、認められたらお給料もいいのではないでしょうか(笑)

▲医療通訳養成過程の修了証

▲医療通訳養成過程の修了証

---医療通訳養成講座を受けるにはどのような条件が必要でしたか?

日本人は韓国語ができる人、韓国人は日本語ができる人が対象で書類審査と面接があります。講座は日本語、英語、中国語、アラブ語、モンゴル語、ロシア語の6カ国語に分かれていて、生徒は合わせて約60人くらいでした。去年の場合、日本語のクラスは韓国人が6人、日本人が2人いました。

 

---医療通訳の勉強をしていて特に難しいことはありましたか?

日本の場合は漢字語をそのまま使う医療用語が多いのですが、韓国は英語やラテン語がほとんどなので難しいです。発音も違うので…。

▲医療用語の教科書。英語やラテン語も多く、難易度高し

▲医療用語の教科書。英語やラテン語も多く、難易度高し

---日本人のお客様も結構いらっしゃいますか?

はい、日本からもお客様がいらっしゃいます。まだ日本の方には「韓方」は馴染みがないですが、最近の韓国美容ブームの影響で、韓方にも関心が高い方が多くなったような気がします。

 

---漢方というと「値段が高くて苦い」という印象があると思いますが、韓国でも同じですか?

値段は、高い…といえば高いかもしれません(笑)
やはり個人の身体に合うようにオーダーメイドで作っているので、値段の面では少し高いですが、その分身体に優しく安全性が高いです。苦さですが、最近のものは苦くないものも多いです。薬の形態もいろいろあるので、錠剤タイプですと味は感じないです。

▲診察室の様子

▲診察室の様子

【ワンポイント】 韓方医療とは?

韓方とは、東洋医学である漢方を基礎として、韓国独自に開発し、発展させた韓国の伝統医療です。一人ずつ体質に合わせて調合をしてくれるので、治療はもちろんの事、最近では皮膚管理、ダイエットにも韓方が用いられるようになりました。韓国の大学には、医学部とは別に韓医学部が設置されている学校もあり、医学部に入るのと同じくらい難しく、韓方医になるためには国家試験に合格する必要があります。

仕事のスタイルは違いますが、精神的なものは同じ

--韓国と日本でのお仕事のスタイルは違いますか?

日本でしていた看護師と今の仕事は、職業自体が違うので仕事のスタイルも全く違いますが、精神的なものは同じです。「お客さん(患者さん)の不安や、悩みを取り除けるようにサポートする」をモットーに力をつくすようにしています。

 

---病院では通訳の仕事以外どんな仕事をしていますか?

唯一の外国人である私の意見=日本人の意見なので、日本へのマーケティングなどについても全部考えています。今勤めている病院は規模が大きくないので、私が提案した意見がダイレクトに反映されることも多いです。そういう面はけっこう楽しいと思います。

▲「お客様の不安や悩みを取り除けるようにサポートする」がモットー

▲「お客様の不安や悩みを取り除けるようにサポートする」がモットー

---韓国でお仕事をして大変なことがありましたか?

日本では何に対しても前もって事前準備をしっかりしますが、韓国は割と直前でしてしまうこともあるので、そのあたりで戸惑いはありましたが馴れたら平気です(笑)

---逆に嬉しかったことはありましたか?

日本のお客様は韓国語ができない方が多く、やはり多かれ少なかれ不安を感じていらっしゃいます。そんな中で帰られるときに、「いてくださって安心しました」とお声をかけてくださると、自分の仕事に対する意義を感じます。

日本の医療観光の発展に役立ちたい

▲Ye韓方院は『まっぷる』誌でも紹介されました。「韓国で学んだことを日本でも生かしたい」と三浦さん。

▲Ye韓方院は『まっぷる』誌でも紹介されました。「韓国で学んだことを日本でも生かしたい」と三浦さん。

---韓国で日本人としてご活躍されていますが、今後の計画や目標などはありますか?

今後は、少し大きいですが、日本の医療観光を発展させたいと思っています。 日本は世界的に見ても高い医療水準ですが、対海外への活動がまだまだです。 ちょうど今年また保健福祉部でやっている医療コーディネートのコースに通っているので、韓国で学んだことを生かして、今後は日本のために貢献したいです。

 

---ちなみに、オーストラリアへの留学計画は立っているのですか?

まだそれほど気持ちがいっていないです。 とりあえず、韓国で英語の塾でも通おうと思っています。^^

 

---三浦さんの好きな言葉を教えてください。

「やりたいことやったもん勝ち」

忍玉乱太郎の言葉です(笑)

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