グローバルキャリア塾 連載コラム

所変われば品変わる (第13回)

第13回:笑いのツボ

Endeavour Japan エンデバー・ジャパン
主宰

川内 和子(かわうち かずこ)

東京都出身。早稲田大学卒業。大学3年次に米国国際線航空会社のフライト・アテンダントに最年少で採用され、米国でのトレーニング後、米国に居住し世界路線で世界をめぐる。大学卒業後は、米国最大手銀行、米国大手投資銀行等を経て2008年春に、世界の知識を広め・知識を共有することをめざすEndeavour Japan エンデバー・ジャパンを創設。

(2009年10月15日掲載)

英語セミナー後に、時々講師の方から苦笑いをしながら言われるコメントは「参加者に笑ってもらおうと、ジョークをたくさんプレゼンの中に入れ、リハーサルを重ねてきましたが、そのうちのいくつかは、完全にすべりました!」というものです。

エンデバー・ジャパンのセミナーは英語で行われますので、参加者には、日本人だけでなく、英語を母国語とする方々もいます。日本人以外には圧倒的に受けるジョークも、日本人には全く通じないことがあるようです。私もこれまで種々のセミナーを聞いていて、何故英語のネイティブスピーカーだけが大笑いするのか分からない箇所が時々あります。講師の皆さんによると、やはりジョークは、文化的背景や、その時々の政治問題等に深く関わっているので、説明抜きに使うのは難しいらしいです。そういえば、日本の政治家の「漢字の読み違い事件」をジョークに使っても、それを知らない人たちには、何故おもしろいのか分からないかもしれませんからね。

これまでに笑いの多かったセミナーを振り返ってみると、講師の方がジョークを言う前に、一呼吸の「間」を置いて話したり、ジェスチャーや声が大きくてはっきりしている等の特長があるようです。ジョークで笑いを取ると、講師の方も参加者たちもリラックスして、打ち解けた気分になり、セミナーが双方向で活発になり、セミナー後の質疑応答でも、質問が多くなる傾向があります。

今年に入ってからのセミナーで、誰にでも受けるジョークは「Yes, We can!」で、すでに皆さんも、生活のいろいろな場面で使ったり聞いたりして、大笑いしているのではないでしょうか?簡単で短いが、どんなことにも使え普遍的なメッセージ性が素晴らしいですね。この点からも、オバマ大統領はコミュニケーションの達人だと思われます。

さて、先日のセミナー後の交流会で、ジョークで笑いをとるのは難しいと話をした講師に、数年前まで中学教師をしていたという日本人の男性参加者が「この頃のテレビでのお笑い番組は、タレントを地上十数メートルからバンジージャンプさせたりして、その嫌がる様を視聴者が喜ぶだろうと思っているようだ」と嘆くと、若い女性も「人が失敗したりするのを見せる番組の視聴率が高いみたいですね。先日見た番組は、アメリカで放映された、素人が撮ったビデオを放映するもので、ダンス中に入れ歯が落ちて大困りであたふたしているおじいさんや、頭のかつらが強風で飛ばされた若い男性が恥ずかしくて真っ赤になっている姿でした。見ていると、可哀そうで、とても笑えなかったです。でも、番組の中では偽の笑い声が入っていて、ちょっと白けましたよ」というものでした。

日本では、この番組を見て単純に笑える人は、そんなに多くないのでは、というのがその場にいた多くの参加者に意見でした。テレビ番組の内容からも、その国の笑いのツボがちがっているのがわかりますね。
それを聞いたアメリカ人の参加者が「独裁者に関するジョークをよく耳にして大笑いしている私の国の人たちですが、実際その国の人たちにとっては、冗談でも何でもなく深刻なことでしょうね。文化背景によって、笑うツボが違ってくるのも当然ですね」 との言葉に一同大きくうなずいていました。
「やはり、楽しいジョークを、いつでも明るく心から笑える環境が最高」と言うのが、国籍を問わず出席者たちの異口同音の答えでした。本当にそうですね。

このように、セミナー後の短時間の交流会でも、異文化の違いが体験できるエンデバー・ジャパンの英語セミナーに是非ご参加になり、国際感覚を大いに養い、各国出身の参加者との文化交流もお楽しみいただきたいと思います。皆さまのご参加をお待ちしております。

次回12月 5日(土)開催のエンデバー・ジャパンの英語セミナーでは、講師にチー・リーさんをお招きし、アジアの人達の主食の一つで私たちに大変なじみ深い「麺」を例にとり、「文化」がどのように発祥し、伝播し、影響し合いながら変遷するかについて、また中国や韓国などアジア各国の文化の類似点と相違点の発見について深い洞察力にもとづいたお話をしてくださいます。どうぞ、ご参加になり、他では聞けない興味深く新鮮な話題をお楽しみください。
チー・リーさんは、2001年に高校生でマレーシア政府奨学生として来日。東京大学工学部卒。どうぞ次回英語セミナーをお楽しみに!

 

エンデバージャパンのセミナー日程

“Exploring Culture in Asia from the Slurp! " 
アジアの文化を探る:箸で食べる一杯の麺から

講師: Ms. Chyi Lee チー・リーさん
日時: 2009年12月5日(土) 午後2時 ? 4時(1時30分開場)
場所: 港勤労福祉会館(東京・田町)

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