グローバルキャリア塾 連載コラム

Doing Charity by Doing Business

第6回:マラウイのリーダーシップと参加者体験談

Mobell Communications Limited
マーケティングマネジャー

山田 真人

東京都出身。英国通信会社のMobellの社員。日本のセールス、マーケティング担当。東アフリカのマラウイの給食支援を実施する、NPO法人せいぼ理事長。マラウイコーヒーを通して、現地の給食支援を実施する事業も展開。
Mobellではマラウイ、英国、ポーランドから社会貢献事業について紹介、実践をする、オンライン留学コースを展開中。自社の国際ネットワークを通して、参加者に留学体験を提供している。

mobell

(2022年7月3日掲載)

平岡明依さん
第6回の執筆者

平岡明依さん

2021年7月、Mobellコース参加

前回のコラムではMobellコース運営スタッフの山田さんがマラウイの教育とMobellコースの魅力について皆様にお伝えさせて頂きました。
今回のコラムでは2021年7月Mobellコース参加者の平岡明依がマラウイのリーダーシップとMobellコースの体験談を皆様にお話しさせて頂きます!

マラウイのリーダーシップ

前回の記事で山田さんが言及したようにマラウイでは今、若い人たちを導く代表的なリーダーがおらず、若い人たちが何を目標にしていけばいいのかイメージが難しい状況にあります。日本はどうでしょうか。政治、経済、教育、社会問題など様々な分野で日々多くの人が周りの人間を喚起する存在として活躍していることを目にしますね。

しかし、何故これほどまでの違いが出るのでしょうか。これは、あくまで私の推測ですが「情報を取り入れる機会の量」に起因していると思います。

私たち先進国に住んでいる人間にとっては日々、情報を浴びるように取り入れることが生活の一部になっています。朝、起きてから夜になるまでテレビ、新聞、スマートフォンなどの様々な媒体が絶えず情報を届けてくれます。あの政治家、あのタレント、あの歌手、あのインフルエンサー、あの活動家がどんなことをした、どんなビジョンを持っている、これからはこんなことをする予定だなどと、指一本動かせば知る事ができる。そんな環境に私たちは身を置いているのだと思います。

反対に、マラウイは電気も通っていない地域も多いため、自分のコミュニティー外の情報に幅広く触れ合う機会は日本に比べるととても少ないと思います。私自身も小学生の時にテレビ、電話、携帯、新聞などの媒体から切り離され、信号もないような辺境の村で1年程、寮生活をした経験があります。そこで情報を取り入れる機会といえば友人からたまたま聞いたニュースの話、両親からの手紙、学校の図書館の本を読んだ時などで少ない量で限られた情報を受け取っていました。そのような入手できる情報の少ない環境で自分が目標にしたい、ついていきたいと感じる人を見つけるのは難しい上に、まず興味を持つ機会さえも少ないのではないでしょうか。

情報を取り入れる機会を増やす機会との出会い

ここまでは「情報を取り入れる機会の量」によって、マラウイに住む人が目標にしたいと思えるようなリーダーを見つける難しさについてお話ししてきました。ただ、日本に住んでいて多くの情報を得る機会がある私たちでも、常に身の回りに日々起きていることや新しい分野に関心を向けて情報を取り入れることをしなければ、同様に目標にしたいリーダーを見つけることや何か理想を持ってそれに向かって成長するということも困難であると思います。

かくいう私も、日本という情報がたくさん手に入れることができる環境に身を置いていながら、Mobellコースに参加する前の生活はあまり人と関わることもせず日々、学校の成績を上げるためだけに勉強をする日々を過ごしていました。学校の勉強しかしていないわけですから、自分の成績以外には特に興味を示すこともなく、平日は学校で勉強をして家に帰って課題をこなし、土日はテスト期間以外も次回のテストに向けて勉強をするという生活を送っていました。学校の勉強以外に何かチャレンジしてみたいという思いもなく、漠然と毎日がつまらない、退屈だと思いながら過ごしていました。しかし、そんな高校生活を2年半続けていた私も高校3年生になり、推薦入試で何か自己アピールできる素材が欲しいと思い、参加したオンラインプログラムがありました。その時に見つけたのがこの、Mobellオンラインコースでした。

Mobellコースでの体験

Mobellコースは簡単にいうと英語でチャリティーやビジネスに関して学習することができるオンライン留学コースです。コースの最後には今までに学んだことの中で自分が興味のあるトピックについてプレゼンテーションを行います。授業は先生が講義をされている中、途中で自分の意見について聞かれたり、自分の体験を話す機会がたくさんあるのですが、その時、初めて自分が今まで学校の勉強しかやってこなかったことを心から実感しました。先生になぜ人はチャリティーをするのか、ボランティア活動についてどう思うかなどと聞かれても、今まで慈善活動について何も考えて来なかったので、自分の考えをろくに言うこともできず、他の参加者の方が発言したことと似たようなことを言うことしかできませんでした。また、授業ではビジネスやチャリティー、貧困など学校で習わないようなこと学習するので、私にとっては全く新しい分野の知識が毎日大量に入ってくるような感覚で、授業についていくために毎日欠かさず予習や復習を繰り返していました。

そんな私にとっては今までに体験したことのないような分野で、新しい情報を毎日吸収していく環境に置かれ、悩むことも多い一ヶ月でしたが段々と慈善活動の中でも特に、そこで活動する人について興味を持ち始めるようになりました。なぜ人は自分の損得を越えた範囲で人に何かできるのだろうか、慈善活動は正しい事なのか、自分にできるものなのか。ゆっくりと学校の成績にしか向いていなかった自分の興味が日を経つにつれて、コースで習っていることへ向いてきていることが感じられました。そして何より、授業の講師をされている方々が実際にNPOの運営をされている事から、リアルに対話ができる見本としてその方達の活動を説明していただけるということが慈善活動について真剣に向き合う機会をくれたきっかけだったと感じます。

コースの様子
▲コースの様子

Mobellコースを経て

2021年7月に参加してから現在、1年ほどたった今、私はコースの先生方が運営している国際NPO法人である、NPO法人せいぼで学生ボランティアスタッフとして活動しています。元々、慈善活動についてはなんの知識も興味も持っていなかった私でしたが、コースを経て慈善活動について知り、考える機会が増えたことで、コース後も先生方と関わっていくことを通して実際に慈善活動を自分のこととして捉えられるようになってみたいと思い活動させていただくことを決めました。2021年7月にコースを受講してからあれから約1年という時間が経ちましたが、今でも”なぜ人は自分の損得を越えた範囲で人に何かできるのだろうか”という疑問に対して答えを探している自分がいます。きっとこれから何ヶ月、何年、もしかすると年十年とこの疑問に対する答えを見つけるのにかかるのかもしれませんが、一つだけ確かなことは2021年7月にMobellコースに参加して新しい分野や、自分の知らない分野で働いている人について知るということをしていなければ、私の高校生活はきっと何もないまま終わっていて、今の私はいないということです。

これから新しいことについて知ってみたい方へ

今回のコラムでは「新しい分野や人に出会うということ」をリーダーシップと私のMobellコース体験談を交えながら説明させていただきました。このコラムをここまで読んでくださった方はきっとこれから何か新しいことについて知ってみたい、挑戦をしてみたいと考えていらっしゃる方が大半なのではないでしょうか。新しいことについて挑戦することは自分の知識の少なさや経験の無さに戸惑うことも多いとは思います。けれどもその経験はきっと回り回って将来の皆さんがあの時、過去にトライしてみてよかったと思える経験となるはずです。Mobellコースは慈善活動、国際問題、英語、ビジネスなど様々な分野について触れる機会を提供しています。皆さんがどんなことに関心があり関心がないに関わらず、きっと多くの出会いや発見をもたらしてくれると確信しています。これから、新しいことに挑戦をしてみたい人は是非参加してみてくださいね。コースで皆さんにお会いできることを心から楽しみにしています!

ボランティアで参加したイベントの様
▲ボランティアで参加したイベントの様子

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