所変われば品変わる　（第1回）

皆さん、はじめまして。今回から毎日留学ナビでコラムを担当させていただくことになりましたEndeavour Japanの川内です。Endeavour Japanでは、世界の知識を広め・知識を共有することをめざして、世界の種々のトッピクスを専門家の皆さんに英語でセミナーをしていただいています。

毎回講師の皆さんやセミナー参加者で世界のいろいろな国ご出身の皆さんとセミナー後の交流会で話をしていると、文化的な差異などで「所変われば品変わる」という諺を身近に実感しています。このコラムではそのようなことを書いてみたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

先日は台風の話になり、それぞれの経験談を話し合い「災害には準備が大切」ということで全員が一致しました。さて、日本に住む私たちが台風と呼ぶ熱帯性低気圧が、発生する場所により呼び名が違ったり、予め名前がつけられているのをご存知でしたか？

日本では、台風は毎年夏から秋に集中してやってきますが、私は年により桜が咲く4月頃にニュースで「台風1号が発生しました・・・」というニュースを聞くと「もう台風の季節がきたのか」と台風による被害を考えちょっと身構えてしまいます。アメリカ人の友人によると、私たちが台風と呼んでいる、北太平洋熱帯海域で発生した低気圧が強まったという性質が全く同じものでも、日付変更線のある東経180度からアメリカ側ではハリケーン(hurricane)、日本側が台風(typhoon)と呼んでいるそうです。ですから、もし台風が東経180度線を越えるとハリケーンと名前を変え、日付変更線から戻ってくると元の台風になるということですね。また、インドの南側で発生するものはサイクロン（cyclone）、オーストラリアの東側で発生するものはハリケーン（hurricane）と呼ばれているそうです。

日本国内向けには台風は～号と呼ばれますが、この50年間外国向けや，船舶・航空機向け等の情報としては，号数と名称が同時に使われているそうです。2000年からは、北西太平洋または南シナ海で発生する台風については各国の政府間組織である台風委員会の決定で、アジア名をつけることになり、参加している各国の言葉で名前がつけられています。日本は星座の名称ですが，中国は伝説上の人物，韓国や北朝鮮は動植物などを中心として提案しています。これもお国柄でしょうか。

この名前は台風が発生してから皆で急いで考えるのではなく、予め一覧表を作っておいて，順番にあてはめていくのです。大西洋地域、北東太平洋地域、北太平洋中部、オーストラリア（西方、東方、北方）、フィジー近海、パプア・ニューギニア近海、南西インド洋でも個別の名前リストを予め作成しているそうです。

以前アメリカではハリケーン名は女性の名前だけから名付けられていましたが、現在では女性と男性の名前が交互につくようになっています。どんな名前なのでしょうか。下に大西洋地域のハリケーンの名前リストを掲載しておきますのでご覧ください。これを見ると、被害の大きいハリケーンですが、国際ニュースにちょっと興味がわいてきませんか？

大西洋地域　 （ソース　：National Weather Service website 数字は年を示す）