読み切り![イスタンブール]~毎日留学ナビ編~ (第9回)
第9回:仕事人、目覚める。
フリーライター、通訳者、コーディネーター
松井 和花
天理大学外国語学部英米学科卒業後、更に通信教育を経て小学校教員免許を取得、奈良県内の小学校で教鞭をとる。たまたま休暇で訪れたトルコに深く魅せられ、唐突に移住を決意。 ゼロからスタートしたトルコ語学習に始まったサバイバル生活も、今年で17年目突入。現在、イスタンブールにて『執筆で、トルコと日本を繋ぐ』をテーマに、フリーライターとして活動。トルコ人の夫と小学生の息子とのドタバタ3人暮らしの毎日。
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(2015年9月1日掲載)
めでたく一度目の転職を終え、商社・総務系のお仕事から一転、日本のソフトコンテンツを扱うベンチャー企業で、営業やリサーチ、マーケティングコーディネートを通じて今まで知らなかった世界が一気に開けました。
日本の版権ホルダー、玩具会社、両国のテレビ局、新聞、出版社、プロダクション会社などと提携しつつ日本のキャラクターを多角的に展開するのは、最高に刺激的なお仕事でした。
例えば、あるキャラクターがあるとします。まずはテレビ局でトルコ語吹き替え版アニメの放映を開始。同時に、同内容のコミックス(漫画)をトルコ語で出版。更に関連グッズ(玩具など)を輸入・販売する店舗展開。最終段階は、食品・衣料・生活雑貨製造会社などにライセンシングを行うことで、ひとつのキャラクターの価値が無限に広がるというもの。その究極の例が、日本の『ドラえもん』ですね。
とは言え、当時の未成熟なトルコ市場で“マーチャンダイジング”という概念がなかった頃、全く新しいビジネスモデルを確立するのは容易ではありませんでした。
今振り返れば、起業としては時期尚早だったかもしれず、あと10年後に同じ試みをしていれば、必ずや更なる大成功を収めたのではないかと、トルコの街を席巻するキャラクター商品群を見る度、今だに感傷的になってしまう自分がいます。
それでも、相手の心を動かすビジネスメールの書き方から、会社経営の基本・損益貸借表の見方まで、一から仕事の“いろは”を教えて下さった前社長の下で働けたことは、私にとって大きな幸運でした。
当時独身だったので、平日残業は当たり前、週末もイベント運営で仕事漬けの毎日でしたが、若さもあって全く苦にはなりませんでした。ただ目の前のタスクと無我夢中で格闘していたら、あっという間に時が過ぎた、といった感覚でしょうか。
前社長は仕事にはトコトン厳しい方でしたが、今でも過去に苦楽を共にさせてもらった大切な同志のような存在です。
そしてその頃培われた職務経験は、後に私の大きな自信となりました。
海外で働くにあたって私のような立場の人間に期待されることは、両国間の橋渡し役です。しかし現地の言葉が出来、双方の思考回路や商習慣を知っているが故に、両者から言いたいことを言われて板挟みになることもしょっちゅうです。
ただそこで凹むのではなく、そっくりそのまま受動的に伝えるだけでもなく、両者の気持ちを汲んだ上で更に自分なりの意見も取り入れて能動的な役割をすることで、より付加価値のある存在になり得るのだと思います。そうでなければ、言語が出来るだけなら、同じような人はこの世にゴマンといるのですから。
こんな仕事最優先の私をプライベートで支えてくれた夫との結婚の顛末は、次回に続きます…!
=続く=
▲転職先のベンチャー企業が経営していた、日本コンテンツ満載のお店『もしもし』で。SMAPの歌と共にスタッフがダンスを披露したり、ハローキティーグッズを使用したファッションショーを開催したりと、日本ポップカルチャー実験室として、何でも貪欲に試していた。
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