健康コラム (第12回)
第12回:お茶の作法
中国への赴任、留学の準備に必要用な渡航者健診を行っている医療法人社団 日中友好医院によるコラム。中国古来の健康方法などを紹介。
(2008年8月15日掲載)
最近は中国でも種々の飲料が気軽に手に入る時代となりました。でも未だに中国で最もよく飲まれている飲み物はやはり「お茶」なのではないでしょうか。
ご存じの通り「お茶」にはビタミンCやアミノ酸をはじめとし、多くの有用成分が含まれ、また、近年は「お茶」のカテキンがコレステロールの吸収を抑制するとの謳い文句で日本でも多くの健康飲料(メタボ対策飲料?)が発売されています。
さて、少し「健康」からは話題がそれますが、この「お茶」を入れるのに、中国茶には中国茶特有の作法が存在します。また、その「お茶」を注いで貰う際の作法もあるのです。或いは皆様も実際にご覧になった事があるかも知れませんが、「お茶」を注いで貰う側が、お茶碗の横で、人差し指と中指を揃えて軽くタップして感謝を表すというものです。
これは、かの乾隆帝がお付きとお忍びで南方に外遊をした際に、現地で出して貰ったお茶の入れ方に大変に興味を持たれ、帝が見よう見まねで、冗談半分ではあるものの、その方法でお付きに「お茶」を注ぐという前代未聞の行為に及び、慌てたお付きが、その場で跪く訳にもいかず、せめて指で跪いたという逸話から来ている様です。この場合、人差し指と中指はそのお付きの体を現しているのです。
古くから飲まれている「お茶」には、それにまつわる逸話も多く、同じ「お茶」を飲むのでもこの様な歴史に思いを馳せれば、更に有難みが増すのではないでしょうか。
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