健康コラム (第6回)
第六回:「薄着」は健康によいか?
中国への赴任、留学の準備に必要用な渡航者健診を行っている医療法人社団 日中友好医院によるコラム。中国古来の健康方法などを紹介。
(2008年1月5日掲載)
明けましておめでとう御座います。
早速ですが、皆さんの今年の抱負は何ですか?
何はなくとも、一年間また健康に過ごせれば、それに越したことはないのではないでしょうか。
さて、新年になり、いよいよ「新春」となりますが、これは過去の「農暦」(旧暦)に基づく話で、「太陽暦」(新暦)を使っている日本では、実際はこれからがいよいよ一年で一番寒い季節に入りますよね。これからが防寒対策の本番となります。
皆さんはこの冬の季節「薄着」で過ごされますか?
日本では一般的に冬を「薄着」で過ごしたほうが健康的である、と言われているようですが、中国漢方的に見れば、冬の季節を過度な「薄着」で過ごせる人はどちらかと言えば「熱症」型であり、それが他に比べ特に良いという言われ方はされていません。ただ、「熱症」の対極にある「寒症」の人には新陳代謝が衰え勝ちな、いわゆる虚弱体質の傾向が見られることから、一見健康そうに見える「熱症」型が持て囃されているのかもしれません。
基本的には、漢方は常に「中庸」を求めているのです。
中国の北京を含む北方地域では、少し前までは冬ともなれば人民服の内側には何枚もの下着とセーターを重ね着し分厚い外套をはおる、といった格好が一般的でした。やはり、寒い季節には厚着で対抗するということでしょうね。
それでも近年、生活環境の向上に伴い、特に若い女性が「薄着」を始めました。最近は若い男性にまでそれが伝播し、「薄着」の男性も見られるようになってきています。そして彼らの体温を維持するために、肉類を中心としたより高カロリーの食事にシフトし、以前には見られなかった生活習慣病を発症させたり、暖房を余分につけるといった(地球環境にとっても)悪循環が始まっています。
あまりやせ我慢はせず、「寒ければちゃんと着る」ほうが個人的にも、地球環境にも優しいのかもしれませんね。
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