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グローバルキャリア塾 連載コラム

海外で自分の声を見つけるまで ~Finding my voice through living abroad~

第8回:わたしと他者のバウンダリー

米国NPO法人iLEAP(アイリープ)
マネージングディレクター

エリクセン恵(けい)

個人が持つ内面の豊かさを社会への変化に繋げることがミッション。リーダーシップ教育が専門のiLEAPをはじめ、日本とアメリカの人材育成分野で約20年間、個人の成長を醸成する環境づくりに取り組んできた。iLEAPでは組織運営、パートナーシップ構築、ファシリテーションを行う。バーモント州の大学院SITで国際教育修士号取得。東京の多摩地域で育ち、現在はアメリカのシアトル在住。一児の母。

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米国NPO法人iLEAP(アイリープ)

(2021年6月11日掲載)

2008年。その頃私は大学院留学中で、アメリカ生活は2年目に入ったところ。修士取得のためには、自分の専攻に関わる機関で実務経験を積むことが必須とされていました。その頃は、シアトルで2つのカレッジと、NGOの仕事を掛け持ちしていました。
 
アメリカでちゃんとお金をもらって仕事をするのは初めてのこと。当時、私の中での一番長い社会人経験は日本での5年間の経験。自然にその経験を手繰り寄せて、自分のなかの字引き辞典のように「ああ、こういう時はこうするんだよね」と思い出しながら働いていました。
 
けれどもある日、その字引き辞典通りに行動しても上手くいかないことが起こりました。

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カレッジで担当していたプロジェクトについて、全体ミーティングで共有していたときのこと。私のプレゼンの後、アメリカ人の上司の表情はとても曇っていて、特にコメントもなく喜んでもらえる様子も一切なく、その反応は自分が予想していたものとは全く違いました。消化しきれない不安感と急下降していく自信。「ここまでしたら、それなりの評価してもらえて喜んでもらえる」と、私なりに今まで編み出してきた方式が、なぜかここでは成り立っていない。どうして?何がいけないの?何か私、悪いことした?
 
そんな日のランチは、同じオフィス内の中国人の友人といきました。なんとなく晴れない気持ちを引きずりながらカフェテリアで席に座った途端、彼女は言いました。
 
「あのね、ケイはね、そんなんじゃ駄目だよ。」普段から辛口で、オブラートに包む表現は一切しない彼女の言葉を、私はとても信頼していました。そして在米年数の長い彼女はこう続けました。「他人がどう感じるかなんてことまでを自分の責任にしてたら、この国では生きていけないよ」と。
 
あまりにも衝撃的でした。だって表情とか声のトーンとか、空気中に漂う感情とか、察する力を120%使った解釈をして努力し続けた結果、喜んでもらったり評価されたりして、今までそれなりにうまくやってきた。それなのに「他人の感情や気持ち」に責任をもたないなんてドライすぎないの?

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そんな時に、もう一つの仕事先のNGOで、多忙なアメリカ人の上司が世界各国の学識者たちとの共同プロジェクトを回していた時のこと。希望通りの調整が上手くいかなかったり、想定外の変更が重なりスムーズに事が運ばなかったときに、彼女はこう言いました。
 
「I cannot control how people feel about what I do. The only thing I can do is to do the best I can do with what I have right now. (私がすることに対して、相手がどう感じるかは私にはコントロールできないこと。自分に出来るのは、いま自分が持ってるものすべてを使ってベストを尽くすことだけ。」
 
はっとしたのは、友人や上司は自分がコントロール出来る事象とできない事象を基盤として、自分と他人のboundary(バウンダリー)を引いていたということ。
 
「相手の感じ方」までを自分がコントロールできると認識していると、予想とは違ったときの自分への衝撃が大きくなる。逆に、「他人に届けるまでの最大限の自分の努力」までが、自分がコントロールできる範囲として線引きをすれば、例え相手の反応や評価が予想とは違ったとしても、ぐらつくことはありつつ、自分が潰されてしまうことはないはず。反応はどうあれ、自分は今ある力を使って全力を尽くしたと言えるのであれば、そこを基軸としてなんとか立っていられる。

森

そもそも、相手だって、仕事とは関係のない私生活での悩みに気持ちを取られているのかもしれない。その日はたまたま体調が悪く、気分が優れなかったのかもしれない。自分には見えていないだけで、相手にはいろいろな背景があって当たり前。
 
どこからどこまでが「わたし」で、どこからどこまでが「他者」なのかというバウンダリーを、自分で改めて考え直す機会になりました。そのおかげで、得たものは自分に対するケアと思いやり。そして、最初はドライすぎない?と思ったことも、今では逆に、相手との関係性を信頼する力を鍛えられるきっかけになったと感じています。
 
(次回につづく)

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