グローバルキャリア塾 連載コラム

韓国雑記-異文化の海を泳ぐ (第10回)

第10回:韓国の結婚式

NPO法人日韓コミュニケーション協会
理事長

木村 妙子

1998年ナレーター時代、韓国のスタジオで収録の為初渡韓し韓国に一目惚れ。以来仕事で日本と韓国を頻繁に行き来する事となる。1999年初頭から独学で韓国語を学び始め、同年8月休業して高麗大語学堂に短期留学。2004年KLPT(世界韓国語認証試験)日本開始の際設立された検定協会に入社。以後運営に奔走し2008年KLPTを引取りNPO法人日韓コミュニケーション協会設立。

(2011年6月15日掲載)

韓国の結婚式には、誰でも参加が出来る。どういう事かと言うと、呼ばれている人は当然席が設けられているが、呼ばれていない人も、受付に行くと食券が貰えて、それで中に入る事が出来る。つまり、知らないオッチャンが式場にいて、勝手に祝うというか、祝っているようにして飲み食いしているという図が、何の問題もなく「アリ」という事である。

アノ人誰だろう?多分誰かの知り合いだろう、だが結局誰も知らなかったというネタのような話しをよく耳にする。いかにも韓国らしい、ユルユルで相当笑える風習である。

だが実はわたしは韓国の結婚式に出席経験がなく、これまで人に聞いた話しだけで盛り上がってきたのである。韓国人生10数年、何故結婚式に無縁だったのか?それは韓国の親しい人たちがこの間誰1人結婚しなかったからである。

このまま誰も結婚する気配もなさそうだし、知らないカップルの結婚式に食券貰って入り込んで、アノおばちゃんは誰?の側を経験してみるか?などと訳のわからない事を考えていた所へ、何とめでたい事に2組の結婚が決まり、両方から呼ばれたので、今年は結婚式の為に2回渡韓する事と相成った。

お祝いの仕方も素敵で、その昔確か韓国の結婚式にはご祝儀制度はなく、新郎新婦が欲しい物をリストにして友人知人がその必要な物をプレゼントするという方式だった。無駄がなくていい風習だと思っていたが、よく考えて見れば親しい間に遠慮はなく、欲しいものは欲しいと言える民族だから成り立つ風習だと言える。

さて、呼んでくれたこの2組のカップルに早速何が欲しいか聞いた所、「何も要らない、姉さんが日本から来てくれるだけで充分だ」とそれぞれが言うのである。この言葉には当然裏などない。だが、姉さんとしては何かしてあげたいわけで、「韓国最近の結婚お祝い事情」を友人にたずねてみた。

すると、今はご祝儀も出すようになったとの事。式場の受付には普通の白い封筒がおいてあり、そこに数万ウォン入れて渡すようになったのだという。只わたしの場合は日本からの出席なので、それだけで充分だろう。出すのであればご祝儀は5万ウォンという所だと。日本円にして数千円なので、本当に気持ち程度のご祝儀である。そして日本のしきたりのように、暗黙の強制力は存在しない。

長い間に少しずつ変わってきた事柄が多方面に渡っているという事に改めて気付かされるが、同時にベースになっている部分に激変はないという事も認識する。何が言いたいのかと言うと、呼ばれていなくても、誰だかわからなくても、食券貰って結婚式に入れるというのが普通という風習は、この先も続いていってほしいという事である。

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