韓国雑記-異文化の海を泳ぐ (第6回)
第6回:言語によって変わる声
NPO法人日韓コミュニケーション協会
理事長
木村 妙子
1998年ナレーター時代、韓国のスタジオで収録の為初渡韓し韓国に一目惚れ。以来仕事で日本と韓国を頻繁に行き来する事となる。1999年初頭から独学で韓国語を学び始め、同年8月休業して高麗大語学堂に短期留学。2004年KLPT(世界韓国語認証試験)日本開始の際設立された検定協会に入社。以後運営に奔走し2008年KLPTを引取りNPO法人日韓コミュニケーション協会設立。
(2011年2月15日掲載)
今から10数年前、私が仕事で韓国に行き始めた頃、全く韓国語がわからなかった為、当然日本語が堪能な韓国人たちとしか話す事が出来なかったわけだが、その人たちすべてが妙に「声が高い」という事が気になって仕方なかった。
本来の職業がナレーターという事もあってか、私は人の声にはかなり敏感である。個人的に男女問わず低くて響く声が好きなので、韓国で出会う人たちが異常に声の高い人ばかりだという現実に、残念な気になっていたものだった。
ところが、その後韓国語を勉強し始めていくらか会話ができるようになってから、韓国人のあの声の高さは、日本語を話す時だけだという事に気がついた。それまで、甲高くてひっくり返ったような薄っぺらな声だと思っていた人達が、別人のように響きのある低くていい声で韓国語を話しているのを聞いて、そのあまりの素敵さに腰が抜けそうになった事もある程だ。
そして私はこの、「日本語を話すとき韓国人は声が高くなる」という説を、韓国在住の日本人の友人Nに話してみた。するとNも以前から同じ事を感じていたという。只、韓国人に限らず母語が日本語以外の人が日本語を話すとその現象が起こるのではないかと言いながら、Nの友人で日本語とフランス語が堪能なアメリカ人の話しをしてくれた。
Nの友人のそのアメリカ人は、英語で話す時は渋くて低い声、フランス語で話すときは甘くて低い声、それなのにどういうわけか日本語を話すときだけは高くてヘナヘナな声になると言う。その変貌ぶりがあまりに極端で、笑わずにはいられないと。
このような現象が起こるのは、日本語の単純発音が関係しているのではないかと私は思っている。日本語には口の中の形を微妙に変化させるような発音が存在しない。口を大きく開かないで口先だけでボソボソ話しても通じる言語なので、身体を共鳴させなくても喉元だけ使えば話す事が可能だから当然声も細る。
反対に韓国語について言えば、複雑な発音や破裂音が存在する為、口先だけで話す事が不可能な言語なので、自ずと喉の奥が開いて身体も共鳴しやすい。だから響きのある音声が出現するのではないだろうか。こうして照らし合わせて考えてみると、話す言語によって発声が変わるのは当然の事だという結論に至る。
韓流以降、来日する韓国芸能人たちが日本語でトークをする場面をよく見かけるようになったが、個人的には、女子は可愛いい声になるのでいいとして、出来れば男子には声の良さと響きの良さが生きる韓国語だけで話してもらいたいと本気で思ってしまうのである。
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