韓国雑記-異文化の海を泳ぐ (第16回)
第16回:毎日が板ばさみ
NPO法人日韓コミュニケーション協会
理事長
木村 妙子
1998年ナレーター時代、韓国のスタジオで収録の為初渡韓し韓国に一目惚れ。以来仕事で日本と韓国を頻繁に行き来する事となる。1999年初頭から独学で韓国語を学び始め、同年8月休業して高麗大語学堂に短期留学。2004年KLPT(世界韓国語認証試験)日本開始の際設立された検定協会に入社。以後運営に奔走し2008年KLPTを引取りNPO法人日韓コミュニケーション協会設立。
(2012年1月1日掲載)
KLPT(韓国語認証試験)は2012年度より、これまでのPBT(ペーパー試験)に加えてCBT(コンピューター試験)を開始する事となった。パソコンのマウスの操作が出来れば受験は可能で、実施する日数も回数も多く、成績認証までの期間もPBTより短い為、留学にスコア表が必要な方々には、随分便利になるのではないかと思われる。
但し、2月のCBTの受付は2012年1月1日、つまり元旦からの開始となる。何故よりによって元旦が受験の受付開始日なのかというと、韓国は旧正月つまり旧暦でお正月を迎える為、陽暦の元旦は日本のような迎え方はしないからである。
日本での最善の対応をと、ない頭をどう捻っても、さすがに陽暦を陰暦に変える事など出来るわけがない。こういう場合は他の方面で、日本で受け入れられる対応に少しでも近づけるよう心を砕いて力を注ぐ。それが日常となっているのだが、韓国主導のものを日本向けにアレンジするのは言うほど簡単な事ではない。
何しろまず決定、詳細は後回し、それが韓国である。反対に微に入り細に入りという言葉1つとってもわかるように、綿密なのが日本である。この両極端な日韓間で仕事をしていて常々思っている事は、日本と韓国の中間位だったら丁度いいのになぁという事である。
石橋を叩いてばかりでちっとも渡らず、叩いた音だけ長い事確認し続け、渡るのか渡らないのかどっちなのかわからない、でも音はちゃんと聞かないと話しは進まない日本と、石橋を叩くどころか、通れるかどうかの確認もせずに、欄干をけり倒しながらドカドカと渡って行ったはいいが、振り向けば石橋はボロボロで戻る道はない、だったらまた別の橋を渡ればいいじゃんという韓国。
これをネタにして笑い飛ばしながらも、中間がいいと叶いもしない事を望んでいるのは私だけではないだろう。この板ばさみの日々はやる事が何倍にもなる為、私が今年を終えるにはあと1ヶ月は必要だ。だが容赦なく2011年は間もなく終わりを告げようとしている。
3.11の大震災以降、それまで見えなかった事が見え、考えなかった事を深く考え、以前にも増して日本の未来、世界の未来を想うようになった。何が出来るなどとは思ってはいないけれど、自分の残りの人生は、この両極端な日韓の架け橋として、この二つの国の未来の為に死ぬまで板ばさみでいこうと決めた。
2012年が、皆さまにとって素敵な年となりますように・・・。
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