グローバルキャリア塾 連載コラム

韓国雑記-異文化の海を泳ぐ (第18回)

第18回:酒席で年を思い知る

NPO法人日韓コミュニケーション協会
理事長

木村 妙子

1998年ナレーター時代、韓国のスタジオで収録の為初渡韓し韓国に一目惚れ。以来仕事で日本と韓国を頻繁に行き来する事となる。1999年初頭から独学で韓国語を学び始め、同年8月休業して高麗大語学堂に短期留学。2004年KLPT(世界韓国語認証試験)日本開始の際設立された検定協会に入社。以後運営に奔走し2008年KLPTを引取りNPO法人日韓コミュニケーション協会設立。

(2012年3月1日掲載)

先日24日、KOREA LOVEな女性のための(勿論男性も参加歓迎)グローバルキャリアセミナー第4回が開催され、多くの方々にお越し頂いた。

今回はスッカラ編集部の朴ちゃんと一緒に、第1部で韓国文化講座を行い、様々なシーンでの習慣の違いをお話しさせて頂いた。

その中でも目上の方とお酒を飲む際のマナーについては、既に有名な習慣なので、その話題になった際、頷いていらっしゃる方が会場には多く見受けられた。

そう!アノ韓国ドラマや映画に出てくる、横を向いてお酒を頂くというマナーである。韓国では、お酒の席では目下の人間は絶対に目上の方に向かって、真正面を向いてお酒を飲んではならない。これはかなり厳格にずっと守られ続けてきているマナーである。

仕事で韓国に行き始めた当時は、当たり前だが私も今よりずっと若かったので、自分よりも目上の方と仕事をする事が多く、酒席では常に気を付けて横を向いて飲んでいたものだった。

只、初めの一杯の時に、横を向いて飲まれた側、つまり目上の方は、「どうぞお楽に」という言葉をかけて、その言葉を頂戴した(?)目下の人間は、「そうですか」といった感じでその後は前を向いて飲むという場合も多々あるのである。

ところが、韓国との付き合いが長くなると、ある時これが逆転するわけである。あれほど気を使って横を向いて飲む側にいた自分が、ある日横を向かれる側になるのだ。

目上への尊敬を込めた美しい所作だと、常に尊重してきた筈の礼儀だったのだが、2年程前に突然自分がされる側になった時、妙にショックだったのを憶えている。何だか恐ろしく年を取ってしまったような、いや確かに年を取ってはいるのだが、ついにやられちまった・・・それがその時の実感だった。

そして、以前は自分がかけて頂いていた「どうぞお楽に」という言葉を慌てて相手に発した途端、ついに年貢の納め時が来たという気分になった。一体どんな年貢を納めようと思ったのか、自分でも定かではない。

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