グローバルキャリア塾 連載コラム

行けばわかるさ  (第12回)

第12回 本気と本音のキャリアカウンセリング

扶桑法務事務所

丹 勇貴(たん ゆたか)

大学卒業後、特殊法人職員、翻訳・通訳業などをしながら、週4日はサッカークラブの夜間練習に参加するという“夢追い人生活”を経験。夢追い終了後、商社勤務、レストラン経営等を経て現職。著書「就職は自分の“売り”で勝負しろ」

大学生3年生の皆さんはそろそろ就職活動に向けてウォーミングアップを始めたところでしょうか。就職活動の心得や面接の受け方に関する情報は、ウェブサイトや就職情報誌などに数多く掲載されていますが、それ以前の問題として、「この業界には絶対に行くな!」という本音の就職指導があっても良いのではないかと、私は常々思っています。

もちろん、人にはいろいろな考え方があり、また、この世には様々な境遇の人がいるので一概に「この業界には絶対に行くな!」と言い切るのは些か乱暴ではありますが、我が国のように、企業の「採用するなら新卒のほうが良い」という“新卒信仰”が根強く、その一方でキャリア形成のやり直しがしにくい社会環境下においては、いくつかの選択肢があるならば、敢えてそのような業界にピカピカの社会人1年生として入ることはありません。

とは言うものの、このコラムで「絶対に行ってはならない業界」を名指しにすることは、やはり出来ないので、もし気になる方は、私どものキャリア教育研究所のホームページから個別カウンセリングの申込をしてください。なんてな…。

それはさておき、ここでは、私が考える「新卒として行くべきではない業界」を、いくつかのポイントを挙げて説明します。もし、これらのポイントに該当する業界に属する企業の就職面接を受ける場合は、要注意ですぞ!

【チェックポイント】

①労働関連訴訟を抱えている企業が多い業界
  残業費の未払い、過労死の労災認定訴訟などが問題となっている企業が多い業界は、 業界全体の体質に問題があるケースが少なくありません。残業費を支払っていては成り立たない業界構造だから訴訟が起きているという見方も出来ます。そんな業界に入ってしまったら、結構しんどいですよ。ですから、新聞には毎日しっかりと目を通しておきましょう。

②従業員を使い捨てにする傾向の強い業界
  これは訴訟を抱える企業が多い業界とも被りますが、従業員=労働力としてしか扱われていない業界は、避けたほうが無難です。これを見極めるのは容易ではありませんが、一般的に入社1年目も5年目も大して仕事内容が変わらないような業界では、あまり個人個人のスキルは求められていないので、従業員=労働力との見方が強い可能性があるといえます。

③業界全体の給与水準が低い業界
  仕事はお金がすべてではありませんが、もともと家が資産家でもない限り、まわりの 人よりも低い賃金で働くのは、決して気持ちの良いものではありません。一般的に社会的意義の高い仕事は、給与が良くなかったりすることが少なくありませんが、それでもやっぱり人並みにはお金は欲しいですよね~。

④やたらと“社会奉仕”を強調する人が多い業界
  どんなに人のためになる仕事でも、自分が気持ちよく働けなければ、意味がないですよね。自分が不本意な気持ちなのに、お客様に本気で奉仕なんて出来るものではありません。社会奉仕的要素の高い仕事に従事している人の中には、たまに「私たちはお金のために働いているのではありません!」なんて威張っている人がいたりましますが、そのような人が多い業界は、あまりお勧めできません。

⑤経営陣と一般従業員の給与格差が非常に大きい業界
  現場で汗を流す一般従業員の給与水準は、全産業の平均あるいはそれ以下なのに、経営陣の平均給与はウン千万円という業界もあります。ただ、このような業界の場合、一般従業員から経営陣にまで昇り詰めるケースは、ほとんどないので、過大なアメリカンドリームなど抱かないようにしましょう。この手の業界に就職するのは、他業界で経営ノウハウを習得してから、「パラシュートで山頂に舞い降りる」のがベストです!

以上のポイントをチェックしながら、就活準備開始!


​(2008年7月1日掲載)

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