ニッポン人のさとり方 (第12回)
第12回 イエローカードを持つということ:怒らない技術
松岡 祐紀さん 株式会社ワンズワード
代表取締役、写真家
松岡 祐紀
19歳でスコットランドのエディンバラに留学。NYにてスタジオアシスタントを経験した後、ロンドンに在住。帰国後はフリーランス・フォトグラファーとして活躍。2009年にノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の「ソーシャルビジネス」という理念に感銘を受け、株式会社ワンズワードを起業。レッスンの質の高さを売りにしたオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を立ち上げる。
2011年よりブエノスアイレスへ移住、さらに第三の故郷としてメキシコシティに居住。2014年3月に中南米・南米の英語学習者のためにスペイン語版、ポルトガル語版、英語版のオンライン英会話スクールを開設。現在は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、日本を行き来して、ソーシャルビジネスの理念の普及と事業拡大を目指している。
(2011年3月1日掲載)
僕はいつも心のなかでイエローカードを携えている。大抵の物事はそのカードを出すこともなく、処理する。だが、人が明らかに理不尽な行動や利己的な行動を取ると、そっと彼あるいは彼女に向かって心のなかでイエローカードを差し出す。そして、彼らに対して直接怒らないように心がける。
もちろん、人間なので友人や妻には彼らについての悪態を吐いたり、文句は言う。だが、それはそれとして処理する。
感情に感情をぶつけてもなんの解決にならないことは明らかだ。それに感情的になっている人間の論理はすでに破綻しており、それについてとやかく言っても彼らに対して効果はない。それも経験上よく分かっている。
僕はほとんど怒らない。だから、よく人に甘えられる。きっと彼らは僕が絶対に怒らないとたかを括っているのだろう。それはたしかに当たっている。でも僕は心のなかにイエローカードを持っている。彼らが僕に有り得ないくらいの理不尽なことをしてもけっして怒りはしないが、そっとイエローカードを出していることに彼らは気付いていない。そして、それが重なるとレッドカードを差し出し、僕は彼らの人生から消える。
今までもそうだし、これからもそうあり続けるだろう。
仕事でよく感情的になる人を見かける。そういう人に対して、いつも驚かされる。僕にとっては仕事は「なるべく効率よく、そしてあまり時間をかけずに終わらせる」ことが前提となる。そのためには感情的なものをなるべく排除すべきだと思っている。
だから僕は自分の間違いはあっさりと認めるし、間違っていない場合でもそれを認めることが仕事を早く終わらせると分かっていれば、土下座も厭わない。
ビジネスは理詰めで行うべきであり、感情的なものが入る隙間はない。ただ根本的なことでは感情が一番重要でもある。それは「その仕事が好きなこと」だ。そして、一緒に働く人が好きなことはとても重要な要素である。
それを満たしていれば、そのほかのことで感情的になる事柄はビジネスには存在し得ない。
僕は以前仕事で痛い目を見て以来、この二つだけは死守しようと思っている。自分が嫌いな人とは仕事は絶対にしたくないし、自分が嫌だと思うことはしない。
世の中の99.9%は取るに足りないどうでもいいことだと思う。そう思えれば、きっと仕事が楽になる。人命に関わる仕事をしていない限り、この法則は当てはまる。
残念ながら、あなたの力で人の人生までも変えることが出来ないのだ。だから、そっと心のなかでイエローカードを出せばいい。あなたの人生はあなた自身がコントロールしており、審判を下すのもあなた自身なのだから。
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