ニッポン人のさとり方 (第6回)
第6回 生きるということ
松岡 祐紀さん 株式会社ワンズワード
代表取締役、写真家
松岡 祐紀
19歳でスコットランドのエディンバラに留学。NYにてスタジオアシスタントを経験した後、ロンドンに在住。帰国後はフリーランス・フォトグラファーとして活躍。2009年にノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の「ソーシャルビジネス」という理念に感銘を受け、株式会社ワンズワードを起業。レッスンの質の高さを売りにしたオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を立ち上げる。
2011年よりブエノスアイレスへ移住、さらに第三の故郷としてメキシコシティに居住。2014年3月に中南米・南米の英語学習者のためにスペイン語版、ポルトガル語版、英語版のオンライン英会話スクールを開設。現在は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、日本を行き来して、ソーシャルビジネスの理念の普及と事業拡大を目指している。
(2010年9月1日掲載)
「生きた、書いた、愛した」
スタンダール
とどのつまり人生どうしたいかが問題だ。
目的意識を持って、やりたいことを見つけるなどと人は言うが、そんなに簡単に見つかるものではない。一生かけても、見つからないこともままある。
目的を見つけるのに必死になって、人生を無駄に過ごさないことも大事だ。野球を始めた子供が誰でも大リーグでプレーできるわけではない。それと同じで自分の分野で輝かしい成功を収めることは稀である。夢も希望もない話だが、たいていの場合はそこそこの人生を送ることになる。
だからこそ、これから成されることに時間を費やすよりは、今何を成すべきかが重要だ。今、この瞬間いかに最大限の努力を払えるか、あるいは自分自身をそのような状況に置くかを考えるほうが、途方も無い夢ばかり夢想するよりはより現実的だ。
昔、見た映画で「ザ・プレイヤー」という作品がある。これは故ロバート・アルトマンが監督した映画だが、主人公はティム・ロビンスが演じるハリウッドの映画プロデューサーで、彼は脚本を持ってくる人たちに必ず「そのストーリーを25文字で言え」という。それで表現出来ないようであれば、観客に分かりにくく、ヒットしない映画だと決め付けているのだ。
例えば「ロード・オブ・ザ・リング」も「指輪を拾って、捨てる話」と簡略化出来るし、「アバター」も「体の不自由な人が新しい肉体を得て恋して移住する話し」と言える。また「借りぐらしのアリエッティ」はただ「お引越しの話し」と要約できるだろう。
人の人生も結局は同じように簡略化され、要約されて語り継がれていくことになる。細かいディテールなどは本人しか問題にしない。
そして、非常に残念なことに多くの人がこのどうでもいい細かいことに没頭している。本人しか気にしないような些細なことで他人を叫弾し、自分自身を貶めている。細かいことに執着せずに、もっとおおらかに生きていけばいい。あなたが今抱えている人生の重要問題は、きっとあなたの死後誰にも語れることはない些細な問題なのだ。
スタンダールのように自分の墓碑に「生きた、書いた、愛した」と書けるほどの人生を充実させるのは難しいかもしれないが、けっして不可能なことではない。
無駄のない人生を送ることなど不可能であり、人生においてはだいたいが無駄である。あなたの人生は死後、よくて25文字程度に要約されて語り継がれるだけだ。そのようなことを念頭に置けば、多くのことは些細な取るに足らないくだらないことである。
いちいち迷っていないでやれるだけのことはやり、結果に頓着せずに、どんどんと突き進めばいい。留学、結婚、転職などは人生の一大事かもしれないが、それはあなたに取ってであり、人類にとってではない。そのようなある種の軽さがやがては大きな実を結ぶこともある。
(まあ、ないかもしれないが・・・・・・)
Indonesia (Photo: Yuki Matsuoka)
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