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グローバルキャリア塾 連載コラム

次世代教育 (第22回)

第22回:ネット社会とテレビ社会

株式会社E-Concierge
代表取締役

斉藤 克明 (さいとう かつあき)

11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。

株式会社E-Concierge

(2011年7月15日掲載)

若き新進気鋭のマスターオブアートの赤井太郎さんとの会食し、
インターネットの世界に話が及んだとき、彼曰く。

「ネットの世界ではたとえばビールをおいしく飲むグラスというのは、
だめなんです。アサヒスーパードライをおいしく飲むグラスというように、
求めている情報を限定、特定することが必要なんです」

テレビというのは、スイッチを入れれば、何も考えなくても
勝手に画像と音声が流れてきます。
しかし、インターネットというのは勝手に動いてくれません。
かならず、自分で求めるものを入力しないと回答は得られません。

赤井さんは、ホームページの製作や管理が専門の職人さんですが、
金属で作るオブジェを中心にアート活動も続けています。
頭の回転が速く、人への関心が強く、社会へのアンテナも高い人です。
本人の弁によると、中学、高校での受験対策への疑問から、
偏差値によらず、自分のやりたいことを考え抜いたのちに
アートを追及し、美術系の大学に進むという選択をしたそうです。
そして、彼はマスター(大学院)コースにまで進みました。

彼と話していると、話題に事欠きません。
西洋アートの歴史、日本アートの歴史、岡倉天心、文学、社会、
心理、倫理、経済など、20代で後半に及ぶ知識と専門職に関する
技術は彼の10代の自分探しの結果得られたもと思います。

これからネット社会はどのように発展してゆくのだろうと
赤井さんに質問しました。彼は、
「今まで限られた人、組織にマスコミュニケーションは握られていました。ネット社
会では誰でも自由に繋がることができます。そのために、自分が人と繋がることがで
きる特別なことを明確に表現しなければいけません。そうでないと、誰も興味を持っ
てくれません。それを理解した人は、誰でも自分の思う人と繋がることができま
す・・・」

「なるほど」と思います。
かつて、高橋和巳は文学を蛸壺から蛸壺への発信と言いましたが、
彼の小説が世間でたくさん読まれた60年代から70年代には
インターネットはありませんでした。
赤井さんにそのことを言うと、今も昔も人のこころ(この場合は精神ですね)は
「変わっていませんね」との返事が返ってきました。

ネット社会では、蛸壺の規模とネットワークが
世界に広がっていると思います。
それぞれの人が求めているものが明確であればあるほど、
この社会では正確な返事が返ってくるのかもしれません。
そのかわり、求めているものが、漠然としていると、
自分が求めた解答も満足が得られない結果になってしまうでしょう。

これからの社会、「情報」という分野においては、
その選択がより重要になると思います。
ではどのように選択をしたら良いのか、それを教えることも
これからの「教育」に絶対に必要なことになると私は思います。

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