次世代教育 (第8回)
第8回:愛子さまと教育
株式会社E-Concierge
代表取締役
斉藤 克明 (さいとう かつあき)
11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。
(2010年4月1日掲載)
愛子さまに関する報道をきくたび、関係各位のご苦労を痛感します。
そして、子供を持つご家族ならば避けて通れない学校のありかたについて考えさせられます。
批評することよりも、どうしたら解決出来るかと私は考えます。
生徒同士の人間関係は日本のみならず世界の教育現場の悩みであると思います。
海外での初等、中等教育をお世話する立場として、
私にもたらされた留学生の悩みは現地の生徒ではなく、
その多くが日本人同士の関係でした。
日本人同士の人間関係を解消すればほとんどの場合、問題は解決しました。
海外の私立学校は日本に比べると独自性が強いように思います。
英語圏のたくさんの学校を訪問しましたが、生徒が居眠りをしている場面に
出会ったことはありません。
無駄口をきく生徒はおりますが、私というお客さんを意識したかしないか、
おしゃべりな生徒は注意され黙らされます。
ハンディのある生徒がそのハンディ故に阻害されてはならないという、
明快な方針は守られていると思います。
協力することがいかに大切か先生は語り、
やり遂げたことは大げさなくらい誉められます。
すべては、「教育」の成果であり、それは学校のシステムとして、
知育だけで成り立つことではありません。
思いやり、尊敬、感謝、誠実、正直などのしっかりした教育の土台は、
個人が育った環境にねざす文化だと思います。
かけがえのないものに対する共通な認識があるから、
子供は安心できて、自分のspecialityや好奇心をのびのびと
発揮できるのだと思います。
日本という世界有数のホスピタリティーと思いやり文化を持つ国が、
どうしてしまったのだろうと時々思います。
海外での教育という選択肢が教育の特効薬であってほしくはなく、
もっともっと、日本が世界のメンバーとして役立てる、
一つの方法であってほしいと思います。
愛子さまは幼くして大変な重荷を背負っていられると思います。
彼女に意思を求めることはできないでしょうが、
希望を持っていただく方法は世界という範囲で考えられないのでしょうか。
日本の教育がより世界と交流するために尽力したいと思います。
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