次世代教育 (第37回)
第37回:ボーティングスクール-スポーツへの価値観
株式会社E-Concierge
代表取締役
斉藤 克明 (さいとう かつあき)
11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。
(2012年6月1日掲載)
18日からボーディングスクールのスポーツ教育について述べてきましたが、なぜボーディングスクールはこれほどまでにスポーツに力をいれるのでしょうか。
第一に、10代の子どもたちは本来スポーツが好きということを、ボーディングスクールのスタッフは経験を通じて熟知しているのだと思います。学校生活の想い出の「場面」が常にスポーツにあり、授業ではないという彼らの確信に満ちたことばからそれは理解できます。
しかし、子どもたちにはどうしても個人差があり、対等に戦えない絶対条件が出てきます。たとえばバスケットボールで、平均身長1メートル90センチのチームと1メートル60センチのチームが対等に戦っても身長の低いチームが勝てる確率はとても低い。それであれば、チームにランクをつけて、それぞれの参加者に精神的充足感を与えるというのが、彼らの考え方です。
もちろん、身長1メートル60センチの生徒が自らの努力でバーシティーチームに昇格することは可能です。
You can do itというシンプルな掛け声を有効に生かすためにも、条件をなるべく対等にするという環境づくりはとても子どもたち思いです。
第二に、大学進学時、スポーツの実績をなるべく生かすということが考えられます。スポーツを中心に大学進学を考える時、スポーツ以外の学業もとても重視されます。体力に恵まれていても、スポーツと同様に学習努力をしない生徒はせっかくの機会を生かすことができません。PG(ポスト・グラジュエート:卒業後一年間高校に残ってスポーツ、勉強をすること)の生徒と話しても、大学進学、大学での勉強、将来の希望などをはっきりと彼らは述べます。とても饒舌で、話に一貫性があり、楽しく会話が進みます。成績が悪ければ、その情報がすぐにコーチに伝わり、コーチは担当する生徒とその対策にあたるというシステムが明確なボーディングスクールはスポーツのみに偏る人生のリスクを軽減させるといえます。
第三に、「競技」を通じて、ボーディングスクールは子どもたちにリーダーシップを教えているのではないかと思います。いくら自分が有能であっても、チームスポーツにおいては、全体の「和」が結局コンスタントな勝ちにつながる。勝っても、負けても、相手を尊重する。
人生の縮図的なゲームやチームのあり方などから、子どもたちが学習すべきことがたくさんあります。それを参加者である生徒たちにしっかり還元し、学ばせるのがボーディングスクールの流儀であると思います。
学校の立地条件等の違いはあると思いますが、ボーディングスクールのメーンビルディングにたとえば「ニューイングランド地方フットボール大会優勝」などの垂れ幕は絶対にありません。体育館の内部には、垂れ幕でなく、何年にフットボールリーグ優勝などの記録はあります。
スポーツは生徒のためにあり、彼らの向上がコーチの喜びです。スポーツを通じた教育も素晴らしいと私は実感します。
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