グローバルキャリア塾 連載コラム

次世代教育 (第38回)

第38回:ボーティングスクール-スポーツ教育視察の総括

株式会社E-Concierge
代表取締役

斉藤 克明 (さいとう かつあき)

11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。

株式会社E-Concierge

(2012年6月8日掲載)

日本の国立大学の体育専攻の講師、助教の皆さんと2月13日から
一週間にわたり訪問したボーディングスクールは下記のとおりです。

Berkshire School、Suffield Academy、Choate Rosemary Hall、
Taft School、St. Thomas More School、Cheshire Academy、
Deerfield Academy、Wilbraham & Monson Academy

今回の私のボーディングスクール訪問は、通常の学校訪問とは違い、
スポーツ教育という明確なテーマに基づくものでしたが、
道中での日本の体育の専門家から聞いた、日本の体育の現状、
そして、各校における日本とアメリカの体育の専門家のやり取りを通じて、
私自身、大変勉強になりました。

日本とアメリカボーディングスクールのスポーツ教育の違いを一言でいえば、
日本のスポーツは組織中心に考案、運営され、アメリカボーディングスクールの
それは生徒を中心に考案され運営されているということでした。

日本の体育教育専門家の人たちに、私がご紹介した学校群は、
ボーディングスクールという特別な環境、歴史、伝統等を持っている
中等教育機関であり、それらがイコールアメリカを代表するスポーツ
教育とはいえません。しかし、彼らが数日の間に目にした、施設、
教職員、環境、そしてスポーツに対するコンセプトは、今まで彼らが
持っていた体育教育の常識をひっくり返すほどのインパクトがあったと
私は思います。

今回の訪問者の一人の先生は、ボーディングスクールのスポーツ教育の
根源には、キリスト教精神があると言いました。
人(ここでは生徒)を中心にしてスポーツ教育が展開し、勝ち負けよりも
人としての振る舞いを重視し、負けから人生を教え、勤勉であること、
努力は必ず評価されること、一人の力には限界があり、チームの力を
最大に発揮することが勝ちを呼び込むことなどの倫理性は、
クリスチャンの伝統であろうということであると思います。

私たち日本人は、倫理の根本に一神教的キリスト教があるわけではありません。
むしろ、森羅万象に神が宿るといった考え方が日本の風土には
合っていると思います。

お互いに受け入れる、学ぶ、発展するというのが、私にとっての
グローバル化であることは間違えありません。

そして、今回、若い人たちにアメリカのボーディングスクールを
見ていただく機会を演出できたことに、私は誇りと喜びを感じます。
目指すところは、より頻繁な交流であると思います。
日米のハイスクールがシステムの違いなどを乗り越えて、
そこで学ぶ子どもたち同士の交流につながればと思います。

スポーツ教育を志す若き先生方のこれからの取り組みに期待します。

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